小型船舶免許の種類

現在、小型船舶免許の免許区分は、ボート・ヨット用の「一級」、「二級」と水上オートバイ用の「特殊」の3区分で編成されています。

一級小型船舶操縦士 小型船舶で操縦できる範囲は無制限です。
ただし、沿海区域の外側80海里(約150キロメートル)未満の水域以遠を航行する場合は、六級海技士(機関)以上の資格を受有する者を乗り組ませねばなりません。
二級小型船舶操縦士 小型船舶で、海岸から5海里(約9キロメートル)までの海域を操縦できます。
なお、年齢が18歳未満の方は操縦できるボートの大きさが5トン未満に限定されます。18歳に達すると、特に手続きは必要なくこの限定は解除され、次回免許証更新時には限定の無い免許証が発行されます。
級小型船舶操縦士(湖川小出力限定) 湖や川だけに利用する総トン数が5トン未満、エンジンの出力15キロワット未満の船を操縦できます。
特殊小型船舶操縦士 水上オートバイを操縦するために必要な免許です。湖岸や海岸から2海里(約3.7キロ)までの水域を操縦できます。

平成15年6月以前の免許制度では、1級から5級までの5区分となっており、一般的に多く取得されていたのは4級小型船舶操縦士免許でした。
この従来の制度では、1級小型船舶操縦士の免許取得に対して非常に高度な学習と時間を要していたためあまり一般的に取得されることはありませんでした。
現行の制度では、免許制度全体が見直され、1級小型船舶免許の取得が容易となり、近年、1級小型船舶免許所有者数も大幅に増加しています。

この免許制度改定においては、水上オートバイの事故急増も課題でした。そのため、従来は小型船舶免許の取得と同時に与えられていた水上オートバイの資格が分離され、1級、2級小型船舶免許とは別の特殊小型船舶操縦士という区分で専用の免許の取得が必要になりました。
※旧制度にて取得した免許で認可された資格は、既得者保護の観点から水上オートバイの操縦も可能です。

「小型船舶」とは、総トン数20トン未満の船舶です。但し、総トン数20トン以上のプレジャーボートで、次の要件の全てを満たしている場合には、小型船舶に含まれます。

  • 一人で操縦を行う構造であるもの
  • 長さが24メートル未満であるもの
  • スポーツ又はレクリエーションのみに用いられるもの(漁船や旅客船等の業務に用いられないもの)

※「総トン数」とは、船舶の大きさを表す単位です。この計測方法などについては、「船舶のトン数の測度に関する法律」によって定められています。詳しくは、 船舶のトン数の測度に関する法律(総務省法令データ提供システム)を参照してください。

平成15年6月から、次の要件の全てを満たすボートは免許が不要です。また、船舶検査を受けなくても操船することができるようになりました。

  1. 長さが3メートル未満であるもの(登録長)
    ※注:「登録長」は、概ね「船の全長×0.9」となります。(なお、船型によって「登録長 」の定義が異なりますので、詳細は 運輸局等 にご確認ください。)
  2. 推進機関の出力が1.5kw(約2馬力)未満であるもの
  3. 直ちにプロペラの回転を停止することができる機構を有する船舶、または、その他のプロペラによる人の身体の傷害を防止する機構を有する船舶
    例)非常停止スイッチ、キルスイッチ、遠心クラッチ、中立ギア、プロペラガード等 →これにより、例えば、上記③の機構を有するエレキモーター(出力1.5kw未満に限る)のみを使用して3m未満の船を利用する場合には、免許は不要になります。
    (※1.5kw未満のエレキモーターのみでも船の長さが3m以上である場合は免許が必要となります。)

【特定操縦免許について(令和6年4月1日より新制度施行)】
客船や遊漁船など人の運送をする小型船舶の船長になろうとする方は、小型船舶操縦士の取得に加えて、小型船舶操縦者としての業務を行うに当たり必要となる海難発生時における措置、救命設備等に関する「特定操縦免許講習」の受講が必要です。
平成15年6月以前に小型船舶の免許を取得されいて特定操縦免許を受有の方、または令和6年3月31日までに特定操縦免許を取得された方は経過措置期間(令和8年3月31日まで)内に移行講習を受講することで新しい特定操縦免許を受けることができます。
※経過措置期間内に新特定操縦免許に切り替えを行わなかった場合は旧特定操縦免許は抹消されますのでご注意ください。詳しくは最寄りの運輸局へお問い合わせください。